攻殻機動隊:シリーズを超えた文化的システム
1989年に士郎正宗によって初めて発表された攻殻機動隊は、その原作マンガの枠を超えて成長を遂げました。過去37年間、押井守、神山健治、黄瀬和哉、荒牧伸志などの監督たちによって多様なストーリーを生み出されてきました。
攻殻機動隊の中核にあるのは、人間とテクノロジー、アイデンティティと拡張、自律と制御といった関係性をめぐる緊張です。デジタルアイデンティティやAI、仮想的な自己といった概念が一般化する以前から、本作は、媒介された世界において「存在する」とは何かを問い続けてきました。
このような哲学的な深みこそが、攻殻機動隊を世代を超えて現在に至るまで有効な作品としてきた要因であり、WALLHACKが本作と向き合うための自然な文化的接点ともなっています。
東京の攻殻機動隊展
攻殻機動隊の37年を横断的に振り返る

©士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会
©Shirow Masamune/Kodansha/Ghost and the Shell exhibition committee
東京で開催される「攻殻機動隊展」は、攻殻機動隊シリーズの全歴史を横断的に集結した初の大規模展示です。
アニメ制作30周年を記念する本展では、シリーズの各時代にわたる作品を網羅すると同時に、その未来にも視線を向けています。過去の映像化作品に関する資料に加え、サイエンスSARUによる2026年放送予定の新作アニメに関連するコンテンツも展示されています。
会場では、1,000点を超える原画、絵コンテ、設定資料、未公開の制作資料が公開されているほか、『攻殻機動隊』に影響を受けた現代アーティストとの協働による、没入型インスタレーションやインタラクティブ作品も展開されています。
この一環として、攻殻機動隊 x WALLHACKのコラボレーションガラスマウスパッドが展示・販売されます。
攻殻機動隊がWALLHACKと共鳴する理由
人間と機械の境界に生きる
WALLHACKのクリエイティブディレクターは、本コラボレーションの背景について次のように述べています。
「攻殻機動隊は単なるアニメ作品ではありません。それは一種の文化的なオペレーティングシステムです。アイデンティティ、身体、機械、監視、そして自己という概念を、インターネットがどのように想像するかを決定づけてきました。Web2やAIを巡る議論、デジタルアバターといった概念が一般化する以前から、攻殻機動隊はすでに問いを投げかけていました。すべてが媒介される世界において、何が『現実』なのか、という根源的な問いです。」
WALLHACKもまた、同じ緊張関係の中に存在しています。我々は、デジタル空間とともに生き、テクノロジーを単なる道具ではなく自己の延長として捉える人々のためにプロダクトを設計しています。攻殻機動隊とWALLHACKはいずれも、単純な楽観主義な立場ではありません。機能と美、制御と自由、人間と機械、その境界が曖昧になる領域で制作を行っています。
こうした思想的な共通基盤は、視覚的な表現が検討される以前から、本コラボレーションの土台として共有されていました。
攻殻機動隊の世界でのガラスマウスパッドのデザイン
このコラボレーションは、1995年に公開されたGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊への深い愛と敬意から始まり、透明スーツを着た草薙素子少佐がニューポートシティへの自由落下直前の象徴的なオープニングシーンを描いています。

コレクションアイテムとしてのガラスマウスパッド
今回はコレクションアイテムとしても持っておきたいアイテムとして、通常のゲーミングデバイスのデザインとも異なる視点でデザインされました。
東京で開催される横断展では、映像資料、原画、歴史的資料が展示され、本ガラスマウスパッドは横断展内で販売されます。本製品は、次の三つの役割を同時に果たすことが求められました。
・高い操作性能を備えたガラスマウスパッドであること
・機能説明に依存せず、デザインそのものによって成立するデザインオブジェクトであること
・コレクション作品としても説得力のある存在であること
これらの要件は、素材の選定から造形、表現に至るまで、すべての設計判断に反映されました。本作は、単なる商業製品としてのみならず、文化的かつ記録的な文脈の中に置かれても違和感なく存在できることを目指して制作されました。
WALLHACKのデザイン系譜と繋がり
点ではなく、線としてのコラボレーション
私たちは今回の攻殻機動隊とのコラボレーションは、単なる一過性の取り組みではないと考えます。本作は、WALLHACKが長年にわたり続けてきた、デザイン主導によるガラスマウスパッド制作の実践の延長線上に位置づけられます。これまでの各製品は、それぞれ異なる制約、物語性、ライフサイクルを前提としてデザインされてきました。
こうした制作の歩みは、WALLHACKミュージアムに掲載され、過去のリリースを体系的に記録しています。このアーカイブは、WALLHACKがマウスパッドデザインを退屈なテンプレートとしてではなく、その瞬間として捉えてきた姿勢を示すものです。各デザインを通して、製品としての操作性能は一貫して維持される一方で、デザインは常に進化を遂げています。
攻殻機動隊 x WALLHACKガラスマウスパッドは、こうした制作の系譜を新たな文化的領域へと拡張する試みであり、同時に、これまでのデザインにおいて確立されてきた我々のフィロソフィーとも整合する作品となっています。
攻殻機動隊xWALLHACKプロジェクトの軌跡
本コラボレーションは、長い歴史を持つ文化的コンテンツと、現在進行形で発展し続ける我々のデザインの取り組みが交差する点を示すものです。
東京での横断展会期中、WALLHACKは本作の制作過程や製品に込められた思想、そしてその背景にあるデザイン哲学について、継続的に発信していきます。
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これは製品の告知ではありません。
これから始まるさらなるストーリーへの招待です。
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